【この記事はこんな人にオススメ】
- スラムダンクの豊玉戦について考察したい
- 豊玉高校のような大阪人が実際にいるのか考えたい
- 豊玉戦を通じて大阪の地域文化を考えたい
- エースキラー・南や、岸本、板倉について掘り下げたい
- 豊玉戦のうろ覚えのコピペを見たい
- これを機に、スラムダンクの単行本やアニメを見たい
こんにちは、けいとさゆりの関西お出かけ情報局(@kei_sayuri_blog)です!
スラムダンクの映画、「THE FIRST SLAM DUNK」が非常に話題になっています。
スラムダンクといえば、30〜40代世代にとっては、まさにバイブルと言っても過言ではないほどの名作マンガですが、絶頂期に最終回を迎え、かつ「その後」をにおわせるような終わり方をしたことから、1996年に連載が終了した後もなお、続編を期待する声が非常に強かったもの。
そうした中で、今回、映画「THE FIRST SLAM DUNK」が公開されたわけですので、「新しいスラムダンク」を待ち望んでいた人たちの歓喜の声が上がっていたことは、想像に難くありません。
さて、今回の記事では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」について語るのではなく、スラムダンクの中で描かれる「大阪人」や「大阪の地域文化」について、原作のインターハイ初戦・豊玉戦を通じて見ていこうと思います。
インターハイ初戦、湘北−豊玉
まずは、インターハイ初戦、豊玉戦のストーリーをさっとおさらいしておきましょう。
なお、以下では豊玉編に関する詳細なストーリーの描写がありますので、ネタバレを希望しない方はご注意ください。
挑発的な態度の豊玉
神奈川県代表となり、インターハイへ出場することとなった、桜木花道の湘北高校。その初戦は、大阪代表の豊玉高校と対戦することになります。
しかし、湘北高校のメンバーたちは、2回戦へ勝ち進んだときに対戦する王者・山王工業の方ばかりに気を取られ、初戦の豊玉高校のことなど考える気配もない様子。
新幹線の車中でそうした湘北高校の様子を見た豊玉高校の岸本は、小暮をヘッドロックし、けんか腰に挑発して、一触即発の雰囲気になってしまいます。
その場は収まったのですが、現地、会場付近でも再び湘北メンバーと豊玉メンバーが相まみえ、再び一触即発の雰囲気に。
スラムダンクで今でも目に焼き付いて鮮明に覚えてるのは
県大会だか地方予選だかでどこのチームか忘れたけど小暮くんと肩ぶつかって「小さくて見えんかったわ」って挑発されて小暮くんが「おい、帰りの飛行機の予約しとけよ」って言い返すやつ
思い出すと今でも鳥肌たつ
ラフプレーと「エースキラー・南」に苦しむ湘北
試合は、序盤からラフプレーを交えた攻撃的バスケットを展開する豊玉に湘北は大苦戦しますが、安西先生がガードの安田を投入し、ペースダウン。キャプテン・ゴリこと赤木を中心としたオーソドックスなハーフコートバスケットを展開して追いつき、流川のシュートで逆転に成功します。
しかし、ここで豊玉のエース・南が流川に肘打ちをかけ、ケガで退場に追い込んでしまいます。
南は「エースキラー」と呼ばれる男。相手のエースをケガで退場に追い込んでしまうプレイスタイルなのです。
流川を欠いた湘北は、マークが赤木に集中して、思うようなプレーができず、ラフプレーでのいらだちもあって、流川退場後の湘北はいいところなく前半を終えてしまいます。
ハーフタイムの間、湘北メンバーは安西監督に厳しく諭され、自分を取り戻します。
一方の豊玉は、リードこそしているものの、守りを中心にプレイしたい監督の方針に反旗を翻し、「ラン&ガン」のスタイルを崩そうとしない選手陣…。
後半…乱れるエースキラー、そして恩師・北野先生の登場
後半、湘北は豊玉が得意とするラン&ガンで真っ向勝負を挑みます。豊玉は得意のラン&ガンで後半も調子づくのですが…
後半から途中出場した流川が、ケガをものともせず奮闘する姿を見て、ケガをさせた南が乱調に陥り、豊玉は大ブレーキ。逆に流川は積極的なプレーで得点を重ね、ついには同点に追いつきます。
ここで豊玉はタイムアウトを取るのですが…チーム内でまさかの内紛。金平監督が口答えする岸本を殴るなど、チームは空中分解してしまいます。
その背景にあったのが、豊玉のバスケ部監督問題。
南、岸本が慕う北野監督は、ラン&ガンを押すのですが、その北野監督は全国ベスト8以上の実績を出せずにクビ。
後任の金平監督は、前任の北野先生のスタイルを全否定し、守り重視のバスケットを展開しようとするのですが、これが北野先生を慕うメンバーに受け入れられず、チームはギクシャクしてしまっていたのです。
ケガをものともせずに奮闘する流川の姿に動揺して、本来の力を発揮できない南。そしてそれを叱責する岸本。
そんな中、南は何を思ったか、流川に対してむちゃくちゃなチャージングをしかけ、自らもケガをしてしまいます。
そのケガを手当てしていたのが、現地にミニバスの教え子達を連れて観戦に来ていた恩師・北野先生。
北野監督の姿を見て、今一度バスケに取り組む原点を思い出した南は、再び復調するのですが、リードを広げた湘北を追い詰めるには至らず、91−87で、湘北が勝利するのでした。
南、岸本、板倉…豊玉から見る大阪の文化とは
さて、この豊玉戦…というか、豊玉高校のメンバーの立ち振る舞いは、ある意味において、非常にステレオタイプな大阪人の雰囲気…ひいては「大阪の地域文化」が描かれているとらえられています。
以下、「豊玉から見る大阪人と大阪の地域文化」について、見ていこうと思います。
【豊玉から見る大阪の文化①】ガラが悪い
まず、作中に描かれる豊玉高校、最大の特徴と言って良いでしょう。とにかく、「ガラが悪い」です。
作中で、豊玉高校のガラの悪さを示すエピソードは…
…と、枚挙に暇がありません。
マスメディアの影響か何かは分かりませんが、大阪といえば「ガラが悪い」という印象を持つ人は非常に多いようで、そういったイメージを持つ人にとっては、この豊玉の「ガラの悪さ」を、「ああ、大阪らしいな」とスッと受け入れてしまうのでしょう。
連載当時の阪神タイガースの応援は…
また、この「ガラの悪さ」は、豊玉の選手というよりも、どちらかというとスタンドの応援団に対する特徴として描かれています。
この豊玉戦がジャンプで連載されていたのは1994年〜1995年ですが、当時の「ガラの悪いスポーツ観戦」といえば、残念ながら阪神タイガースの応援において当てはまっていると言わざるを得ません。
特に1995年は、阪神タイガースの「後期暗黒期」とも呼ばれる時期の始まりで、成績の悪さも相まって、ライトスタンドは非常に過酷な雰囲気になっていたものでした…。
【豊玉から見る大阪の文化②】ふざける(ちょける)
また、大阪人の特徴として、緊迫した場面でもふざけておちょくる、といった傾向があると一般には思われています。
こうした言動のことを、関西弁では「ちょける」といいます。
この「ちょける」言動で、ある意味豊玉戦のダークヒーローとなったのが、宮城リョータとマッチアップする豊玉のポイントガード・板倉大二朗。
試合前に宮城リョータに「見えんかったわ」というシーンに始まり…
以降、ことあるごとに宮城に対して「ちょけた」言動を繰り返していきます。
その、宮城に対する「ちょけた」言動を順々に見ていくと…
…と、こちらも枚挙に暇がありません。
単に攻撃的・好戦的にガラが悪いだけでなく、こうやって「ちょける」雰囲気でおちょくってバカにしていくのも、タチの悪い大阪人の雰囲気として見られているのかもしれません…。
【豊玉から見る大阪の文化③】情に厚い
ここまで、大阪のネガティブなところばかりにフォーカスが当たってしまいましたが、一方で、大阪ならではの地域文化として「情に厚い」というところも、忘れるわけにはいきません。
この豊玉戦、豊玉は一貫してヒールとしての描かれ方をしていますが、その雰囲気が終盤、少し変わります。
監督に逆らってまで、ラン&ガンのスタイルを徹底し、そしてラフプレーすら辞さないほど、勝つことに対して異様な執着心を燃やす…。
その背景にあるのは、南と岸本に、バスケットのおもしろさを教えてくれた、北野先生への思いがあったから。
北野先生が教えてくれたバスケットのおもしろさは、オフェンス8にディフェンス2の、ラン&ガン。
北野先生が否定されたことが悔しくて、何とかして北野先生の正しさを証明したくて、かたくなにラン&ガンにこだわり、そして勝ちにこだわった南と岸本。
その手法は決して褒められたものではありませんが、根底にあるのは、バスケットを教えてくれた北野先生への恩義があったこと。
そう、南も岸本も、情に厚い人間なんです。
そして、豊玉高校をクビになっていながら、教え子たちのインターハイでの様子を見に来て、ケガをした南の手当をした、北野先生もまた、自分を慕ってくれる教え子たちへの情の厚さがありました。
ちなみに、北野先生の後任で来た、就任当時31歳の金平監督は、これまで北野先生が培ってきたラン&ガンをかくもあっさりあきらめさせるなど、ある種の「冷たさ」を感じさせます。
この「冷たい」金平監督は、実は豊玉メンバーの中で唯一関西弁を使わないんです。
冷たい金平監督は標準語で、情に厚い北野先生と岸本、南は関西弁…。このことが、何とも言えないコントラストとなって、浮き上がってきているような気がします。
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【まとめ】ステレオタイプ…だけど分かりやすい、豊玉の大阪らしさ
このように、今回、スラムダンクの豊玉戦において描かれる、大阪人とその文化について、いろいろと考察してみました。
連載から実に30年近くが経過するわけですが、それでもなお、このスラムダンクの人気は、衰えることを知りません。まさに不朽の名作といって良いでしょう。
そんなスラムダンク、人気があるのは、山王工業戦や陵南戦、また三井がバスケ部に復帰するまでの波乱を描いた「バスケ部最後の日」編などのエピソードで、この豊玉戦は相対的に人気が高くないのが実情だと思います。
一方で、関西人としては、あの名作・スラムダンクにおいて大阪の文化が描かれているということは、こちら関西でもあまり話題になったことはなかったように思いますが、改めて考えると、これは結構貴重なことなのではないかとも思えます。
豊玉戦で描かれる大阪人の姿、大阪の地域文化は、やや誇張されたステレオタイプのようにも思いますが、一方で、だからこそ大阪人らしさがしっかりと表現されており、それがこの豊玉戦のストーリーを彩っているとも思います。
皆さん、山王工業編だけでなく、ぜひこの豊玉戦も、愛してあげてくださいね!